べらぼう旅一座 ~道頓堀てんとうむし江戸下り~

【長編第9回歴史・時代小説大賞 笑えて泣ける人情噺賞受賞】

道頓堀生まれ、喜劇の旅一座が江戸にやって来た!

まだ『喜劇』というジャンルが日本に生まれていなかった時代、笑う芝居で庶民に元気を与える役者たちと、巻き込まれた不器用な浪人の人情噺。


【あらすじ】

本所の裏長屋に住む馬場寿三郎は万年浪人。

性格的に不器用な寿三郎は仕官先もみつからず、一日食べる分の仕事を探すのにも困る日々。

顔は怖いが気は優しい。
幸い勤勉なので仕事にありつければやってのけるだけの甲斐性はあるが、仏頂面で客商売ができないときた。

ある日、詐欺目当ての浪人に絡まれていた娘てんとうを助けた寿三郎。

道頓堀から下ってきた旅一座の一人であったてんとうは、助けてくれた寿三郎に礼がしたいと、一座の芝居を見る機会を与えてくれる。

まあ色々あってその一座に行くことになるわけだが、これがまた一座の奴らがむちゃくちゃ……べらんめぇな奴ばかりときた。

堺の笑いに容赦なくもみくちゃにされる江戸浪人を、生温かく見守る愛と笑いの人情噺。
24h.ポイント 0pt
12
小説 192,645 位 / 192,645件 歴史・時代 2,390 位 / 2,390件

あなたにおすすめの小説

籠中の比翼 吉原顔番所同心始末記

紅侘助(くれない わびすけ)
歴史・時代
 湯飲みの中に茶柱が立つとき,男は肩を落として深く溜息をつく ――  吉原大門を左右から見張る顔番所と四郎兵衛会所。番所詰めの町方同心・富澤一之進と会所の青年・鬼黒。二人の男の運命が妓楼萬屋の花魁・綾松を中心に交差する。  男たちは女の肌に秘められた秘密を守ることができるのか。

父(とと)さん 母(かか)さん 求めたし

佐倉 蘭
歴史・時代
★第10回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ ある日、丑丸(うしまる)の父親が流行病でこの世を去った。 貧乏裏店(長屋)暮らしゆえ、家守(大家)のツケでなんとか弔いを終えたと思いきや…… 脱藩浪人だった父親が江戸に出てきてから知り合い夫婦(めおと)となった母親が、裏店の連中がなけなしの金を叩いて出し合った線香代(香典)をすべて持って夜逃げした。 齢八つにして丑丸はたった一人、無一文で残された—— ※「今宵は遣らずの雨」 「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

吉宗のさくら ~八代将軍へと至る道~

裏耕記
歴史・時代
破天荒な将軍 吉宗。民を導く将軍となれるのか ――― 将軍?捨て子? 貴公子として生まれ、捨て子として道に捨てられた。 その暮らしは長く続かない。兄の不審死。 呼び戻された吉宗は陰謀に巻き込まれ将軍位争いの旗頭に担ぎ上げられていく。 次第に明らかになる不審死の謎。 運命に導かれるようになりあがる吉宗。 将軍となった吉宗が隅田川にさくらを植えたのはなぜだろうか。 ※※ 暴れん坊将軍として有名な徳川吉宗。 低迷していた徳川幕府に再び力を持たせた。 民の味方とも呼ばれ人気を博した将軍でもある。 徳川家の序列でいくと、徳川宗家、尾張家、紀州家と三番目の家柄で四男坊。 本来ならば将軍どころか実家の家督も継げないはずの人生。 数奇な運命に付きまとわれ将軍になってしまった吉宗は何を思う。 本人の意思とはかけ離れた人生、権力の頂点に立つのは幸運か不運なのか…… 突拍子もない政策や独創的な人事制度。かの有名なお庭番衆も彼が作った役職だ。 そして御三家を模倣した御三卿を作る。 決して旧来の物を破壊するだけではなかった。その効用を充分理解して変化させるのだ。 彼は前例主義に凝り固まった重臣や役人たちを相手取り、旧来の慣習を打ち破った。 そして独自の政策や改革を断行した。 いきなり有能な人間にはなれない。彼は失敗も多く完全無欠ではなかったのは歴史が証明している。 破天荒でありながら有能な将軍である徳川吉宗が、どうしてそのような将軍になったのか。 おそらく将軍に至るまでの若き日々の経験が彼を育てたのだろう。 その辺りを深堀して、将軍になる前の半生にスポットを当てたのがこの作品です。 本作品は、第9回歴史・時代小説大賞の参加作です。 投票やお気に入り追加をして頂けますと幸いです。

二人の花嫁

糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
 江戸時代、下級武士の家柄から驚異の出世を遂げて、勘定奉行・南町奉行まで昇り詰めた秀才、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」  その「巻之七」に二部構成で掲載されている短いお話を、軽く小説風にした二幕構成の超短編小説です。  第一幕が「女の一心群を出し事」  第二幕が「了簡をもつて悪名を除幸ひある事」 が元ネタとなっています。  江戸の大店の道楽息子、伊之助が長崎で妻をつくり、彼女を捨てて江戸へと戻ってくるところから始まるお話。  おめでたいハッピーエンドなお話です。

狐松明妖夜 ~きつねのたいまつあやかしのよる~

泉南佳那
歴史・時代
時は江戸後期。 全国を席巻した未曾有の飢饉を乗り越え、山間のある村では三年ぶりの大祭と芝居が開かれることになり、村は期待に沸き立っていた。 庄屋の姪っ子、紫乃は十五歳。 幼いときに両親を亡くし、庄屋の伯父に育てられてきた。 村一番の器量よしと評判だったが、村一番の剣の使い手であり、村一番の変わり者でもあった。 つねに男のような恰好をして村を闊歩していた。 そんなある日、紫乃は村外れの大木のもとで、暴漢に襲われている男を助ける。 男の名は市河源之丞。 芝居に出演するために江戸から村にやってくる途中だった。 美しい源之丞に生まれてはじめて恋心を覚える紫乃。 だが、そのころ、紫乃にはある縁談が進められていて……

漆黒の碁盤

渡岳
歴史・時代
正倉院の宝物の一つに木画紫檀棊局という碁盤がある。史実を探ると信長がこの碁盤を借用したという記録が残っている。果して信長はこの碁盤をどのように用いたのか。同時代を生き、本因坊家の始祖である算砂の視点で物語が展開する。

あやかし吉原 弐 ~隠し神~

菱沼あゆ
歴史・時代
「近頃、江戸に『隠し神』というのが出るのをご存知ですかな?」  吉原と江戸。  夜の町と昼の町。  賑やかなふたつの町に、新たなる事件の影が――。

生克五霊獣

鞍馬 榊音(くらま しおん)
歴史・時代
時は戦国時代。 人里離れた山奥に、忘れ去られた里があった。 闇に忍ぶその里の住人は、後に闇忍と呼ばれることになる。 忍と呼ばれるが、忍者に有らず。 不思議な術を使い、独自の文明を守り抜く里に災いが訪れる。 ※現代風表現使用、和風ファンタジー。